お金はあればあるほど、様々なことができます。
お金が無いと生活していくのは本当に厳しいですし、お金がないことがもたらす不安はとても強い力を持っています。
世の中には貧富の差が確実に存在し、
TVやSNSでお金をたくさん持っている人の豪華な暮らしぶりを目にする機会も増えました。
お金がたくさんあれば何でもできそうだし、毎日楽しそうに思えますが、
お金をたくさん持っている人にはその理由があるし、
お金をたくさん持ち続けることが出来ている人にはそれなりの理由が必ずあるのです。
知らず知らずお金に支配されている思考
僕は本当にお金がなく辛くしんどい期間を経験しました。
どれだけ働いても必要な支出に足りないこともあったし、
給料日には全て支払いでなくなるという経験もしました。
何度お金があれば今の状態が解消されるのに・・・、
お金があれば好きなことができるのに・・・、
お金があれば・・・
と考えたかわかりません。
でもお金があること=幸せになれることではありません。
誤解しないように書いておくと、お金がたくさんあることは幸せなことだと思うのですが、
それはひとつの幸せな状態なだけで、
お金が自分を幸せにしてくれるわけではないということです。
あくまでも自分の人生は自分が描いていくものだし、切り開いていくもので、
お金をたくさん持ったからと言って自分が思う理想の人生が送れるわけではないことを理解しなければいけません。
世の中には生まれながらにお金持ちという人が存在していて、
その人たちはお金がたくさんあることで豪華な生活を送り、何不自由ない生活を送り、とても楽しそうにしています。
でもそれは少数派。
現実的には少数の富裕層と、大多数のそうでない層がきれいなピラミッド型になっています。
どんなに浪費しても、どんなにリスクを冒しても痛くもかゆくもない超富裕層が存在する一方で、
お金をたくさん持ち続けている人はリスクや、浪費や、お金の使い方に対してとても現実的でシビアな視点を持っています。
彼らはお金に思考を支配されておらず、自分の現状や先の展望をきちんと見据え、
自分が望んだ必要なことのためにお金を使います。
自分にとって必要なこと、やりたいことが先にきて、
それに必要なお金がこれだけだから、その分のお金を使って成し遂げるという感じで、
お金の量ではなく自分のやりたいことや、やるべきことが先にあるのです。
一方お金が貯まらない人は逆で、
手元にあるお金でできる限りの欲求を満たそうとします。
例えば今月10000円余りそうだから、今日は豪勢な食事をしよう、いつも贅沢してないし自分へのご褒美に、という感じです。
780円ランチを食べている人が1500円のランチを選ぶのに慎重になるように、
普段慣れている金額帯ならお金の使い方にとても慎重になるのに、
自分が慣れていない価格帯では完全に感覚が麻痺してしまう。
結婚式や子供の記念撮影、住居購入、車購入など、高額の買い物をする時、
オプション自体もそれなりに高額なのに、本体の価格が高額過ぎて感覚が麻痺してしまい、
オプションを購入してしまうなどは典型的なパターンです。
こういう人たちはまとまったお金をラッキーで手にしても、
そのお金があれば、あれが買える、これが買えると安易な欲求に負けて浪費し、
また、そのお金を元手にこんなビジネスをしたらうまくいくのではないかと急に思いついたようなビジネスを展開し、
結果的に驚きのスピードでお金を失ってしまいます。
宝くじで1等を当てても不幸になる人がいるというのはこういうところからきているのです。
完全にお金に思考を支配されてしまっています。
現実的に自分の土台を固め、その上でお金をツールとして活用する
お金は提供した価値の対価として得ることができるものです。
提供できる価値や形は様々なものがあり、人によって量も形も違います。
会社員やアルバイトは時間を提供し、雇用主の求める業務をこなし、
その対価としてお金を得ています。
一方で僕たちは、何かを得るとき、その対価としてお金を支払いながら生活しています。
得たお金の量の範囲以内に、出ていくお金の量を抑えることで生活は成り立っていて、
基本的に衣食住にはお金が必要だからお金はとても大切なものとも言えます。
お金がないと、生活がままならない状態になってしまい、それが不安を生み出します。
不安は判断力を大きく狂わせるので、余計な支出を増やしてしまったり、無理に借金をしてしまったり、
不安を誤魔化すための浪費や行動をしてしまったりと、
一時的な感情で安易な選択をさせてしまうのです。
しかし、本来お金は自分の目的を達成するためにあるものであり、
単なるツールでしかありません。
それなのにお金が最優先にきてしまうのはきちんと自分の人生を見つめていないからであり、
自分が何をしたいのか、本当はどのように生きたいのかについて、きちんと考えていないからだと考えています。
現実的に俯瞰して自分を見つめることが出来れば、
自分が一か月に提供できる価値とその対価の量が見えてくると思います。
ここは簡単には増えません。
だから現実的な判断が必要になってくるのですが、
その範囲内でどのように生きたいかをまずはきちんと考え、
明確にする必要があります。
どのように生きたいかが明確になってくると、
その生き方をすることをまず第一に考え、
そのためにお金を使ったり、貯めたりできるように、
不思議となります。
飲食店を経営して繁盛店にしたいという夢を持ち、それを自分の生き方だと決めたら、
その人は飲食店を持つために何が必要でどうするか、
そして飲食店を繁盛店にするためにどうするかが見えてきて、
その上でそのために必要なお金の量が明確になり、
今度はそのお金を得るための行動に移ります。
しかし、自分の生き方が明確になっていない状態で幸運で大きなお金を得ることができ、
そこで初めて、
お金が出来たし飲食店を経営したらもっとお金が増えるんじゃないかという安易な考えで飲食店を始めたとしても、
うまくいかず、
お金がどんどん出ていき、いつの間にか幸運でつかんだお金は無くなってしまうのです。
お金は自然に増えるものではないので、
生きていくためにお金を得るための行動はしなければならないけれど、
ここを安定させることで初めて生活が成立ち、自分らしく生きることができるようになります。
お金に思考を支配されず、自分の生きたい生き方のための手段としてお金を管理することができるようになるのです。
お金がたくさんあることで多くのことができるのは事実ですが、
お金がたくさんあることが幸せなのではなく、
限りある自分の人生を自分の生きたい生き方ができるようにすることが、
幸せに生きることだと僕は思っています。