「ご利用は計画的に」この言葉を見たり聞いたりした時、消費者金融のTVCMを思い出す人も多いと思います。
平たく言えば借金の返済計画をきちんと立てた上で借金しましょうねということなのですが、
実際問題借金をする場合は、
「めちゃくちゃ慎重に冷静に状況判断して現実的な返済計画を立てた上で最小限の借金をする」
が正しいと思っています。
借金がもたらす影響
借金をする場合いくつか方法があります。
消費者金融や銀行のローン以外にも、知人親族から借りる方法や、今や身近になったキャッシングやクレジットカード払いも借金の一つです。
借金が必要な場合もあると思いますし、借金をすることで叶えたものもたくさんあると思います。借金=悪いことという視点ではなくて、借金をした場合に自分にもたらす影響について考えてみましょう。
借金には必ず利息というものがつきます。利息は言うならばお金を借りるために払っているお金のようなものです。
小さい金額のうちは数パーセントの利息は言っても微々たるものに思えるかもしれませんが、
大きい金額になると意味合いが変わってきます。
分かりやすいように細かいことを省いて、100万円の借金をして利息が10%だとすると、トータルで110万円支払うことになります。
この10万円は、特に何かを買ったわけでもなく、何かを食べたり見たりしたわけでもなく、
ただお金を借りたから支払う必要がでてきた金額です。
10万円あればそれなりにいろんなことができますよね?
でも実際は借金を一括で返すことは少なくて、
分割して支払うことが多いため1回あたりの支払では10万円ほどのインパクトは無くなります。
これが僕が考える一つ目の影響で、利息でなかったら10万円は大きい金額なのに、
利息で分割払いになるとまぁ仕方がないかと思える金額になってしまうのです。
また借金を一回してしまうとブロックが外れるというか、借金をするのに躊躇する度合いがどんどん小さくなっていきます。
クレジットカードは怖いものだから持ってはいけませんと親などから言われて育っている人は多く、
最初はクレジットカードを持つことにすら躊躇していたはずなのに、
これが使い始めると便利さや手持ちが無くても欲求が満たせることから、躊躇無くクレジットカードを使うようになってしまう。
おまけにリボ払いやカード決済したものを後からリボ払いに変更できるサービスもあり、
それにより月々の支払金額を押さえて欲しいものがその時に手に入るので、より一層安易にクレジットカードを多用してしまう。
請求は1ヶ月~2ヵ月後に来るので気づいたらかなりの金額になっていたなんてことも多いです。
この場合ももちろん利息を払っていますし、リボ払いの利息は高いです。
一番大きな影響だと考えているのが、判断力が鈍りおかしな判断をしてしまうことです。
クレジットカードにしろキャッシングにしろローンにしろ、全て借金なのですが、
今目の前の欲求を解消するために手元にお金がなくても大丈夫にしてくれるものです。
借金という側面、特に利息を払っているという感覚はほとんど無くなり、
基準が分割払いにしたときに月々払えるかどうかという基準に摩り替わってしまうのです。
こうなってしまうと月々もう支払えないなというラインまで使ってしまい、気づいたときには大きな借金となっています。
冷静に判断できれば、毎回余計な無駄なお金を払っていることになるので我慢したり諦めたりする欲求が、
月々いくら払えば大丈夫とか、次の給料で払えば大丈夫とかそういう曖昧な根拠で決済に踏み切らせてしまうのが借金の怖さです。
そして借金は返済しない限り減ることは無く、利息は返済期間が延びれば延びるほど多く支払うことになり、
いつの日かお金をどうにか返さないとまずいという焦燥感でいっぱいになります。
こうなるともう完全に冷静な判断は出来なくなります。
これが僕が考える借金の最も大きな影響です。
大きい借金から逃れたい一心で、一発逆手や詐欺話や投資話にのってしまうのは、
完全に判断能力がおかしくなっているからです。
冷静に状況判断し、本当に必要かを見極める必要がある
借金をするということは、何かのためにお金を使うということです。
本来であればもともと貯めていたお金と入ってくる収入以内に、支出をおさえることで生活が成り立ちます。
借金をするということは、収入より支出が多くて足りないからそれを借金でカバーしている状態なのです。
そしてその状態になるために、すでに収入より支出が多い状態に上乗せで利息という支出を追加している状態です。
こうやって文字にすると冷静に見えてくると思うのですが、
まず大事なのは本当に借金してまで必要なものなのかということです。
言い換えるならその必要と思えるものを今手に入れるために、無駄なお金を払ってまで今手に入れる必要があるかということです。
クレジットカードは確かに便利だし、リボ払いにすることで毎月の支払が小さくなり余裕を持って生活できるようになるのは事実です。
でも結局利息という最も無駄なお金を払っているわけですからそこまでして本当に今必要なのかはきちんと考えなければいけません。
冷静に考えた結果、どうしても借金をする必要があると結論を出した場合、
次は現実的に支払っていけるのかを考えることと、返済が終わるまでの生活に制約が発生することを覚悟しなければいけません。
通常であれば物を購入したり、何かを体験した対価をその場でお金というものを支払い売買を成立させています。
これが借金となると、物や体験は先にして、あとからその物や体験した分の対価を利息付きで払うという条件で売買が成立しているので、
当然ですがそれ以降は支払回数に応じて、何も得ていないし体験もしていないのにお金だけ出て行くという状態になります。
最初は手元に物があったり、体験したりできるからよいのですが、その後はただただ過去の欲求のためだけにお金が出て行くのです。
当然返済が完了するまでは、何も無ければ返済金額分できた体験や手に入れられた物ができなくなります。
収入が増えるのはボーナス月か、何か他の収入源を確保したとき以外はないので、何もない通常期であれば最初から出来ることが減ります。
つまり返済金額分できたことが出来なくなることに加えて、最初からできるものも減っているのです。
こういった状況が発生することを理解して、それを大丈夫、我慢できると覚悟を決めた上で、
現実的にその生活ができるのかを考えなければいけません。
目の前の欲求に負けて、なんとかなるでしょ程度の甘い気持ちでの借金は必ずのちに悲劇をもたらします。
先ほども書きましたが、状況によっては借金が必要なときがあるのも事実です。
借金をすることで、成し遂げられることがあることも事実です。
だからこそ過度に恐怖を持つのではなく、また安易に考えるでもなく、
冷静に現実的に状況を判断し、現実的な生活をイメージして、納得した上で借金をするようにしてください。
安易な借金は最も不要なものです。
どんなにご利用は計画的にとポップなCMをやっていても、
借金がもたらす影響はたくさんあるということを忘れないようにしてください。