人生は一度しかありません。時間も全員に共通です。
その中で出来ることも、スキルとして習得できるものも本当は有限で、
どんな人でも一つ一つ習得し積み重ねていっていくしかないという事実を見誤っては痛い目を見てしまいます。
自分は特別な人間でも、まして天才でもない。
世の中には天才といわれる人は絶対にいると思いますし、
一度にいくつでも高いレベルで同じように出来る人も存在していると思います。
しかしながらそれはごく一部の少数派のことであり、
ほとんどの人は基礎を学び努力して一つ一つできるようになり、
そしてそのレベルを上げていっていると思います。
仕事を例にしてみましょう。
多くの人がある時期になると就職活動を行い、様々な会社に就職します。
就職してまず会社のルールを学び、初歩的な業務を学び、先輩に付き添われながら実践し、
そこで結果を出して仕事を一人で任されるようになり、役職がついて・・・と、
一つ一つ学びながら自分が出来ることを増やし、出来ることの精度を上げ結果を出し、
それが認められてから次のステップにいくという手順を踏むと思います。
これは仕事だけでなく料理も趣味も全部同じで、
簡単なレベルから一つ一つ実践して出来ることを増やしていき、
徐々にそのレベルを上げていっていると思います。
会社で尊敬する上司も最初から何でもできたわけではないですし、
プロ顔負けの美味しい料理を作る友人も最初から美味しい料理を作れたわけではないのです。
一度見たり、聞いたりしただけで出来てしまうような特別な才能の持ち主や天才でない限り、
一つの技術を習得し世の中に通用するレベルになるまでには、多くの時間と努力が必要なのが現実なのです。
主力級の物事を二つ同時進行するのは非常に困難で、基礎がしっかりしていなければまず難しい。
社会人になると1日の多くの時間を仕事に費やしていると思います。
配置転換や人事異動等で畑違いの分野に飛び込むこともあると思いますが、
基本的に何十年もかけて一つの職種に従事します。
出世などは他の与件が絡むこともありますが、大抵の場合ベテランの方が新人よりも技術が高いです。
生活をする原資になるお金を稼ぐ仕事というのはやはりそれ相応に厳しいものだというのは事実だと思います。
一方で不景気の影響や、働く環境の変化などもあり、副業が一般的になってきました。
また、SNSの浸透により他人の趣味や生き方を容易に知る機会が増えました。
その中では複数の仕事をこなしているビジネスオーナーや、
仕事をしながら本格的な趣味を楽しむ会社員など、
一度に複数のことを高いレベルでこなしている人の「現在」を見ることができます。
例えば飲食店を複数展開するビジネスオーナーが紹介されたとして、
まず目に入るのはそのオーナーの今の姿です。
暮らしぶりや身に着けているもの、所有物など、興味がある人にはとても羨ましい光景が目に飛び込んできます。
しかし、そのビジネスオーナーがそこに至るまでの道のりはダイジェストのように数分で流れていき、
何年もあったその期間や、試行錯誤したことなどはサラリと流れて終わってしまいます。
これと同じようなことはたくさんあり、
メルカリで月30万稼ぐ主婦や、フォロワー数が数百万人のYoutuber、副業で月100万稼ぐ会社員など、
それぞれの今の姿を目にする機会は多くても、そこに至るまでの厳しさや、苦労や困難はなかなか表に出てこないものです。
画面に映る光景はとても羨ましいもので、
自分も同じようにできるのではないかと思ってしまいがちなのですが、その際は注意が必要です。
自分も同じようにできると思うことを否定しているわけではありませんし、
自分もあんな風に生きたいなぁと思うことはとても良いことだと思います。
注意しなければいけないのは、安易に考えないこと。
必ず画面に映る自分が羨ましい生活を送っている人全てが、
時間をかけ努力を重ね、今の位置にいるという事実をまずは認識することです。
その上で、自分の生活の中にその努力や時間を確保できるのかということを冷静に判断する必要があるのです。
今努めている仕事がそうであるように、
新しく始めることも実践してすぐに自分の思うレベルに到達するなんてことはありません。
片手間で大きな結果が得れるほど甘いことはなく、
もし大きな結果を望むのであればそれ相応の努力が必要です。
人生は一度きりで、時間は有限であり、
現状多くの時間を今努めている仕事に割いているわけなので、
残り時間で行動していく以外に方法は無いと思います。
年齢を重ねるほど、普段の仕事でエネルギーは奪われていきます。
当然、仕事以外の時間を使って出来ることの量も質も変わってきます。
だからこそ本当に自分の人生を見据え、
自分が本当に求めているものや理想の生き方を明確にし、
そのために自分の時間を使用するという風にしなければいけないのです。