僕は会社を2回離れた経験があります。
1回目はあまり何も考えず見切り発車での退職、2回目は契約上どうすることもできず、モチベーション0の状態で半年働いてからの退職でした。
人生において大きな時間を注いでいる会社を変えるということはそれなりにパワーが必要なことで、
会社を変えた後はシビアな現実が待っています。
退職したい旨を伝えてから、実際の退職日まで少なくとも1か月はあるでしょうし、
退職を検討しだしてから実際に退職するまでにもある程度の時間があるはずです。
モチベーションやヤル気は下がっているでしょうが、
その中でどれだけきちんと準備ができるかが、とても大切です。
離れたい理由を極限まで明確にする
会社を辞めたい理由は人それぞれだと思いますし、たくさんあると思います。
人間関係が辛い、業務内容が辛い、働く環境が悪い、仕事が面白くない、給料が安い、などなど。
終身雇用の時代ではないですし、転職、副業なども一般的になってきています。
職種もたくさん増えましたし、転職支援の企業やCMも増えました。
平成27年に厚生労働省が実施した「転職者実態調査」によると、
全体の35%の企業に転職者が在籍し、在籍する一般労働者に対する転職者割合は7.9%という結果が出ています。
僕自身も最初に勤めた企業は転職者がいましたし、転職者だからこその大変さも目の当たりにしてきました。
それもあり、自身が転職する時には様々な不安もあったのですが、
もちろん大変ではあるけれど実際こんなものかと思えたのが事実でした。
僕がそう思えたのは、転職するまでに準備がしっかり出来ていたこと、
とりわけ転職したい理由と目的がはっきりしていて、そして自分ができることがはっきりしていたからだと考えています。
会社を離れたいと一度思ってしまうと、日常の仕事の中で嫌な部分がたくさん見えやすくなります。
責任感もどんどん薄くなっていきますし、どんどん興味が次へ向かっていくのは、ある程度仕方のないことなのかなと思います。
そんな状態なので早く辞めたいという思いは日に日に増していくと思うのですが、
その気持ちを抱えながらもきちんと自分と向き合う必要があります。
自分が辞めたい理由は何か。
自分が求めているのは何か。
自分が持っているスキルは何か。
自分はどう生きたいのか。
例えば給料が低いことが一番の理由であれば、
転職する時の条件は給料が高ければそれでいいのか、
労働時間や仕事の質云々はあまり関係なく給料が高ければそれで耐えれるのか、
給料が高く仕事内容も求めるのかなど、
嫌だから逃げたいからの転職ではなく、自分のために、生きたい人生のための転職であることが理想だと思います。
もちろんこのご時世、意図せず転職せざるを得ない状況も起こりうると思いますし、
厳しい現実があるのも事実です。
なので転職したい理由、求めるもの、自分ができることを明確にし、
転職したことによって自分が求める人生が送れるように準備することが重要になってくるのです。
目的をずらす
転職するまでに準備が必要だとしても、
モチベーションが下がった状態で離れようとしている会社に勤め続けるのはなかなか厳しいものです。
これを僕は2つ目の会社で経験しました。
どうあがいても会社を離れるまでに半年在籍しなければならず、
強行するには鬱などの病気にならない限り難しいという状態でした。
これはその時に実践した方法ですが、環境によっては誰でもできるものではないと思うので、
あくまで僕の場合としてとらえていただきたいのですが、
僕は「目的をずらす」ということをしました。
これはどういうことかというと、
普通会社に行ったら与えられた業務があり、その業務をこなすことで対価として給料を得ていると思います。
なのでこの場合の会社に行く目的は、与えられた業務を遂行することということになります。
ところが僕はちょっと特殊な環境にいて、
与えられた業務は割とすぐにこなせるし、母体となる売上が少ないので仕事量もそこまで増えないという状態で、
時間が余るから業務改善や効率改善、マニュアル整備など、会社にとってプラスになるようにと仕事を見つけて働いていました。
ところが、僕がいた組織は曲者だらけで、
基本的に皆さん仕事をしないことが当たり前でした。
保身に走っている部長クラスが、改善や改革を唱える下の声を押さえつけるものだから、
有望な若い人はどんどん退社していき、とりあえず働けて給料もらえれば良いという人だけが残る。
効率や改善なんてどうでもよくて、自分に火の粉がかからなければ何でもいいというスタンス。
おまけにモンスターおばさんがいたんですが、このおばさんがとっても厄介で、
自分が気にくわないとパワハラだ、いじめられたと訴訟をちらつかせるもんだから、
部長クラスもそのおばさんのご機嫌取りに必死になり、おばさんのやっていることが非効率的でも正しいとなってしまう。
たまたま僕の直属の上司がこれまた曲者で、
自分は正しいと我を通し、仲間探しに失敗し、信用貯金を失い続けた結果、
その上司と同類と思われた僕は、僕がやったということで批判されるどころか、
最終的にはスルーされ読まれもせず、全て無駄になるという状況になっていました。
こんな状況下でモチベーションは当然なくなりました。
でも6か月働かなければいけません。
1日の3分の1の時間はこの会社に絶対に捧げなきゃいけないわけです。
そこで僕が取った方法が目的をずらすという方法です。
つまり与えられた業務を遂行することが会社に来る目的だったところを、
次への自分の準備のために会社へ出社し、最低限の業務を空いた時間でこなすということに、
出社する目的を自分の中で変更しました。
こうしたことで、今までは8時間の中でどのように業務を遂行するかを計画していたのが、
8時間の中でどのように自分の準備を進め、どの時間を使って最低限の業務をこなすかという計画に変わり、
バレずに自分の準備を進めることができるハード面の環境を整え、
8時間のうちの大半を自分の準備の時間のために使用できるようにしました。
このようにしたことで、自分の準備をすすめることもでき、
モチベーションをどうにか保つことが出来ました。
転職することが必ずしも正しいとは思いませんし、
逆に転職は絶対にできないものだとも思いません。
安易な気持ちで踏み切るのはとても危険だと思いますが、
今の世の中自分の生きたい人生を考えた時に転職は一つの手段だと思います。
またどんな環境においても今回僕が実践した「目的をずらす」という考え方はやってみる価値があると思います。
人生に無駄なものなど一つもないと思いますし、
すべての経験は何かしらの形でその後に生きてくると思います。
転職したい、したくないではなく、
良い悪いではなく、
主軸を自分の生きたい生き方や、生活の送り方において、
それを成し遂げるために今の職場はどうなのかを考えて判断してみると良いと思います。