高校3年の時美容師になるという思いを諦めた時、父親にいわれた言葉、
「諦めるの語源は、明らかに見極めるということからきているんだ。諦めるは決してネガティブな意味だけではない」
当時はいまいちよく分かっていなかったけれど、いろいろと捨ててみた今、その意味がよく分かります。
いつかきっとできるかもしれない、いつかうまくいくはずだ。
何かをやろうと行動をおこし、それを続けてみても一向に成果が出ないことがあります。
その原因は様々で、常にその原因を探りながらトライ&エラーを繰り返し、成果が得れるように、うまくいくように何事も頑張ってきました。
そんな僕の折れそうになる心を奮い立たせてきた言葉が、
「いつかきっとできる、必ずうまくいく」
でした。
僕は基本的にこのスタンスで、努力はいつか報われると思っているし、
時間が凄くかかるかもしれないけれど、続けていればいつか必ずうまくいくと思っています。
でもなかなかそうもいかないことが世の中には存在することが、さすがにこの年齢になると分かってきます。
ミュージシャンやお笑い芸人を目指して日の目を見ずにその道を諦めた人は五万といるだろうし、
物理的理由や環境的理由でどうにもならないことも世の中には必ず存在します。
そうは言っても確実に成功している人は存在するし、成し遂げている人もいる。
今まではせいぜい自分の周囲しか情報が入ってこなかったのが、SNSの発達によりその距離感がなくなり、
知ろうと思えばどれだけでも情報が入るようになり、自分の周囲でなくても成功している人を目にする機会ができました。
僕の場合、その対象がインターネットビジネスでした。
副業をしなければ思うような人生が送れないと思い、インターネットで副業と検索してインターネットビジネスに出会い、
様々な情報を浴びる中で、今までは雲の上の存在だった月収100万円というお金を稼いでいる人をたくさん目にしました。
その中には自分と同じようにサラリーマンで家族がいながら副業でそれを成し遂げている人もたくさんいて、
それらを見るたびに僕は自分の姿を重ね、自分も必ず出来るはずだと思い込んでいました。
だから何度失敗しても、何度挫折をしても、いつか必ずできる、続けていれば絶対うまくいくと自分に言い聞かせ、
次から次へと手法を変え挑戦し続けていました。
もう新しい挑戦をできるような状態ではないところまで落ちた。
僕には過去に地道に続けていった結果、うまく結果に結びついた成功体験が2回あります。
その体験があったので、なおさら続けていれば必ずうまくいくという思いも強かったんだと思います。
何度失敗しても諦めきれず、何度も何度も挑戦を続けました。
でも以前の成功体験のときと違うのは、甘く考えてしまっていたことと、きちんと現状把握をしなかったことです。
インターネットビジネスはれっきっとしたビジネスなのに、
「かんたんに稼げる」とか「だれでも出来る」という言葉を完全に信じていました。
そんな甘い考えだから今回うまくいかなかったのは選んだ手法が悪かったんだということにして、
次こそはうまくいくであろう手法をみつけるということに躍起になる。
そして有料商材に手を出し、その失敗を繰り返すごとに前回の出費を取り返そうとどんどん盲目になっていく。
その結果、僕はもう挑戦すら出来ない状態にまで落ちてしまいました。
それまで空き時間をみつけては挑戦をしてきたので、その挑戦ができなくなるとエアポケットのように時間が空きました。
そのおかげで始めてきちんと、なぜうまくいかないのか、なぜ出来ないのかをきちんと顧みることができました。
現状分析すると、考えが甘かったことを筆頭に、うまくいかない理由が山ほど出てきます。
時間がないくせいに、時間が余りある人と同じ戦略をしていたり、
考えが甘いから努力の量が圧倒的に少なかったり、
仮に当時の自分の考えでうまくいくなら世の中の人みんな成功してお金持ちだったと思います。
それくらい今考えるとうまくいかないのは必然であったなぁと思います。
しかし、現実を見つめ、受け入れた時でもなかなか諦めはつきませんでした、
常に何かきっと方法があるはずだと情報を取り続け、こんな状況でも出来るものがあるはずだと思い毎日を過ごしました。
しばらく経ち、状況はそこからさらに悪化し、もう情報を入手する時間すら確保できないくらいになりました。
ここまで来るともう選択の余地はありません。
僕は諦めざるを得ない状況に追い込まれ、ついにインターネットビジネス関連のことを一切やめることにしました。
この時、冒頭の父親の言葉が脳裏に甦ってきたのです。
明らかに見極めること。
僕がインターネットビジネスにどっぷりハマッたのは、それが自分の生きたい生き方に繋がると思ったからです。
だからインターネットビジネスを諦める=自分の生きたい人生を諦めることのように感じてしまっていました。
でも親父の言葉を思い出し、
ここで落ち込むのではなく、現状を見極めるということをしてみました。
その結果、
別に自分の生きたい生き方まで諦める必要は無く、
今の現状ではどう考えてもインターネットビジネスをしている余裕がないだけで、
まずはその問題を解決することに全力を注ぐことはできる、
その問題を解決したら改めて挑戦すればいいと思えたんです。
問題を解決するのはとても大変でしたが、
一度全てを止めて問題解決に全力を注いだおかげで、
時間はかかりましたが、僕は再チャレンジできました。
諦めることは、ネガティブな意味だけではなく、明らかに見極めて、次に繋げる一つの手段だということ。
時にあきらめることが必要な時もあるのです。