借金を抱え、常にどうやって乗り切るか、どうやって返せばよいか、どうやったらお金を得れるかを考える生活が続きました。
もちろん魔法みたいな解決方法は現実的にはなくて、いつも「はぁ、無理か」と意気消沈するばかりでした。
正常な精神を保つのがやっとの状態だった
具体的に対策を立てず、当たり障りのない人にだけ相談し、結局何も解決しない日々が続きました。
給料日には絶縁状態の家族の生活費を振込み、伸ばしている借金の中でやばいものから払い、ほぼ残らない状態。
とは言っても日常生活にはそれなりにお金が必要で、それを稼ぐために新聞配達をして、日払いの工場で働いて、
どうにかこうにかやりくりをする日々でした。
遊ぶ時間なんてないし、寝る時間もどんどん削られ、でも立場上本業は何事もなかったようにこなさなければいけない。
気を抜いたら倒れそうな毎日で、でも倒れたらお金が逆に出て行ってしまうし、
いろいろとバレてしまうからそれは絶対にダメだと自分を奮い立たせ、本当にギリギリの状態でした。
精神的にはギリギリなのに、解決方法は全く見えない。
考えても考えても出来そうなことは全てやっていたし、もう何をどうしたら良いかわからない。
バランスを取るためではあったけれど、どうしようもない時は懇意にしている居酒屋でヤケ酒をするしかありませんでした。
そんなことをしている場合じゃないのだけれど、どうしても弱い心が顔を出し、もう一人の自分が声をかけてきます。
いつも頑張ってるんだからちょっとくらい大丈夫だよ。
たまには息抜きしないと壊れちゃうよ。
今日だけ発散して明日からまた頑張ればいいんだよ。
こうして自分で自分に正当な言い訳をして、浪費を続けてしまっていました。
もちろん今振り返るとこれはとても無駄なことだと思う一方、
あれが無かったら本当に壊れてしまっていたかもなぁとも思います。
中途半端が一番まずい
お金の浪費もさることながら、このころは時間の浪費もひどかったです。
ほとんどが傷の舐めあいをするような長電話でした。
長電話の内容は最終的に自分は悪くないというような内容に行きつき、
私もそうだったとか、いやいやもっと大変なことがあるとか、全く生産性のない話を続け、
最終的には愚痴で長時間を費やしていました。
本気で再起を決意出来ていたら、
そしてそのための犠牲を払うのは仕方がないと腹を括れていたら結果は全く違ったと思います。
ですが、僕は全てが中途半場でした。
お金の現実的な問題も中途半端にしか考えず、
とりあえず稼げるだけ稼いであとは何とかなるだろうであったり、
事態は改善したいけど自分の見栄や体裁は保ちたいと結局傷つくことを恐れていたり、
相談するのも専門家ではなく自分にとって都合の良い人ばかりだったりしました。
きちんと向き合って、本気で解決しようと思えば方法はまだまだたくさんあったと思うのですが、
結局痛い思いや辛い思いをしたくないという気持ちが強く、中途半端な覚悟だったため、
改善しない事実をごまかすように時間とお金の浪費を繰り返していました。
今振り返ると、本気で向き合えていたら、
家を残す個人再生や債務整理など専門家に相談することで道はいくつかあったんだと思います。
でもそんな考えは一切思い浮かばず、ただただ終わりを先延ばしにする延命のような毎日を送っていました。
人間だれしも弱い心をもっています。
意志が固いと思っても流されることもあるし、人間関係で避けたいと思っている人とはなかなか向き合えないものです。
現実を受け入れるのは時にとても辛いことだし、
できれば先延ばしにしてとりあえずその場を凌ぎたくなるものです。
でもこういう時があるのも事実だけれど、そのままでは絶対に何も解決しないのも事実です。
現実逃避していても問題は解決しないし、浪費は確実に解決を遠のかせるものです。
もしどうしようもない状態に陥ってしまって、
考えたけど分からない、もうどうしたら良いかもわからない時は、
浪費をしてごまかすのではなく、腹を括ることに時間を割いてみてください。
なぜなら、今までの方法で解決していないわけだから同じことをしていても解決できません。
解決するためには痛みに耐え、それでも突き進む覚悟が必要だからです。
腹を括って動き出したらいつか必ず解決する日がやってきます。