人はピンチの時ほど冷静になるべきなのに、現実逃避をするように自分に良い考え方をしてしまいます。
できもしないことなのに、現実的に無謀なことなのに、なぜか自分にはできると思ってしまうものです。
どんどん追い込まれていく毎日
お金が無いという事実は僕からどんどん冷静な判断を奪っていきました。
ちょっとでも時間があったり、仕事の合間になると
常にどうやったらこの借金地獄から抜け出せるかばかり考え、
手段や実現性は考えないで、あと月いくらあればどうにか乗り切れるだろう、
みたいなことばかり考えていました。
具体的な対策を考えれば良いのに、
何とか今のまま何も変わらず何事も無かったようにならないかばかり気にして、
傷つかず、揉めずに、綺麗に状況が改善する方法を常に考えていました。
実際問題そんな事を気にしている場合ではなく、
現実的な判断をするべきで、
それはどんなことかと言うと、
家族にカミングアウトすること、
信頼できる友人に相談してみること、
具体的にどう対応していくか考えることだったのですが、
僕は何一つ実施することが出来ず、
どうにか自分ひとりで何とか解決しようと考えていました。
頭の中はどうやって今の状態でお金を稼ぐかばかり。
お金を稼げば、今の状態から抜け出せるし、
お金を稼げば、問題も起きないし、
お金を稼げば、全て何も無かったことにしてまた幸せに戻れる、
お金を稼げば・・・お金を稼げば・・・
もう多少稼いだだけでは何も変わらないくらいひどい状態だったので、
なおさら具体的な案は出ず、
時間だけが過ぎていきました。
ネットワークビジネスとの出会い
そんなある日、メルマガ塾で知り合った知人から凄い話があるから是非聞いて欲しいと呼ばれ、
都内の会議室に行きました。
何の話かよく分からないけれど、会場にはたくさんの人がいて、
そしてまもなくスピーカーと呼ばれる話のうまいおじさんが話し始めます。
これまでにいろいろと痛い目を見ている僕です。
こんな怪しそうな話に引っかかるわけはありません。
ただ、話の途中で部屋を出て行くような勇気もなく、
まずは最後まで話を聞くことにしました。
話を聞いてると、
権利収入、
何もしなくても毎月お金が入ってきます、
将来的にはどれくらいになるか分かりません、
あなたがやることはただひとつ、二人の紹介者を見つけるだけです、
うまいこと言うなぁと思いながらも、
仮にこの話が本当なら、大逆転できるのではないか・・・
という考えが徐々に生まれていました。
怪しいとか、再現性とか、
自分に出来るのかとか、
そういったことは全てどこかに飛んで行き、
2人くらいならどうにか見つかるだろう、
本業の隙間でできそうだ、
どうにか耐えたら自動でお金が入ってきそうだし、
うまくいけば2人どころじゃないかもしれない。
そうなったら一気に解決できる。。。
後半に行くに連れほとんど話は聞けなくなり、
お金の計算ばかりをするようになっていました。
どうにもならないと思っていた現状の中で、
一筋の希望の光でした。
こうして僕は現実をろくに見ようとせず、
現実問題にぶつかろうともせず、
どうにか何事も無かったことのように元通りになって欲しくて、
一発逆転に賭けてしまいました。
結果、一発逆転は起きず、
僕はさらに状況を悪化させることになりました。
そしてそれはもう元通りに修復することなんて、
不可能なレベルまできていました。
一発逆転はまずあり得ません。
大事なのは冷静に分析し、出来ることを具体的にやることですし、
見栄や恥など捨て去って、きちんと向き合って話し合うべきでした。
でもそれが出来なかった。
どうにかそんなに痛手を負うことなく乗り越えれないかばかり考えていました。
追い込まれれば追い込まれるほど、
冷静な判断は出来なくなります。
ですが、苦しいときほど冷静な判断が必要になるのです。
一発逆転バラ色の妄想は、起きないのだから。