僕は自分の思っていることや本音をダイレクトに伝えるのが本当に苦手でした。
そしてそれ以上に本音を正直にぶつけて、人と言い争いになったり喧嘩したりするのが本当に嫌いでした。
結果、僕は家庭を失うという結末を迎えます。
誰に何を言われても治らなかった
今となっては笑える話しですが、僕は婚姻届け1枚出した瞬間から夫婦は意思疎通が完璧に出来るものだと思っていました。
さらには自分の中に理想の夫婦像、家族像、親戚との関係性があり、それを伝えなくても自然にそうなっていくものだと思っていました。
言葉にだささなければ分かるわけないのに、どんなに運命を感じた相手でも最初は赤の他人なのに、通じてると思っていました。
意思疎通ができないまま、本心を伝え合うことを避け、必要なことも話し合わない状態になってしまい、
夫婦間の溝はどんどん広がっていき、ある事がきっかけで亀裂は決定的になり、修復が叶うことなく離婚しました。
きちんと伝え、議論しなかったことは、僕の大きな失敗です。
僕は元嫁とぶつかることが嫌でした。
僕は元嫁と口論になるのが怖かったのです。
なんであの時言えなかったのだろう?
そもそももっと前の段階で、あの時こうしていれば・・・。
たら、ればを言ってもキリがないですし、意味のないことなのですが、
どうしてもそう思ってしまう。
一方で向き合いなさい、今からでも話し合いなさいといわれてもそれは出来ない。
話し合いが出来ない状態で離婚したので、離婚に伴う本来決めるべきことは非常に曖昧で、
それが離婚後の僕の生活を非常に苦しめました。
苦しむ僕を見て何人もの知人や、親が、家を手放せと伝えてきましたが、
子供たちとの約束だとどうしてもそれは受け入れられませんでした。
家を売ると元嫁に伝えたら、その先に口論が待っていて嫌な思いをするのが目に見えていたからです。
自分が住んでいない家のローンを払うために馬車馬のように働く日々。
そんな状態でも、僕は過去の自分の失敗に対し正面から受け止めて改善しようとは思えませんでした。
僕を救ってくれた、たった一言の言葉
そんなある日知人と飲んでいる時、不意に知人のメンターと一緒になりました。
一緒に飲んでいる中で、話の流れで自分の状況を話しました。
するとその方は、
「向き合わなきゃいけない課題だね~」と笑いながら言いました。
そして、そのあと
「でもいいんだよ無理に向き合わなくて。今じゃなくていい」と言ってくれました。
きちんと分かっているから悩む、向き合おうとしているからこうして口に出てくる、
でも今はそれがどうしてもできない、だとしたら今はそれでいい。
でもいつかどこかのタイミングで、それは元奥さんに対してじゃないかもしれないけど、その時がきたら向き合えたらいいね。
とも言ってくれました。
この言葉は僕にとって衝撃でした。
「あ、いいんだ。」
こう思えてから本当に不思議ですが、心が軽くなり、
その日以来ちょっとずつ、ちょっとずつ向き合えるようになりました。
今では大切なパートナーと言い争いをするようになり、嫌なものは嫌だと伝えるようになり、
また、代理人を立てた形にはなりましたが、元嫁ともきちんと議論の場を設けました。
当時の僕では考えられないことですが、ちゃんと向き合えて、思いを正面から伝える日が来たのです。
時間が解決した部分もあると思います。
でもあの日、今は向き合わなくてもいいんだよと自分を許すことができなかったら、
中途半端にずーっと引きずっていたんだろうなぁと思います。
どんなに大きな失敗でも、それが今は受け止められないような大きなものでも、
真正面から受け止めようと試みてみて、無理なら今はそれで大丈夫です。
ちょっとずつ、ちょっとずつ、向き合える日が来ます。
失敗をした時、自分の最初の味方は自分です。
今はできなくてもいい。そんな余裕をもって、そして次に繋げていきましょう。