失敗をたくさんして、それを次につなげることは本当に大切だと思います。
無駄な経験なんて一つもないと思っているので、行動することやその先が例え失敗であったとしてもそれはとても貴重なものです。
でも時に失敗はとってもつらいもので、下手したらその痛みは長く続くものになったり、人によってはトラウマになったりします。
表面だけ見ていては見えないものがある
長い人生の中には様々な経験があり、失敗があります。
僕自身、自分の考え方や生き方を変えるきっかけとなった失敗がいくつかありますが、その一つは本当に辛いものでした。
会社員時代小売業で働いていたのですが、副店長の時に僕は病みました。
うつ病という言葉がそこまで一般的ではなかったので病院にくことなどはありませんでしたが、180cmの身長なのに体重は50kg台になり、朝出勤しようと玄関のノブを持つもののなかなか開けれない状態で、おそらく病気だったんだと思います。
副店長という立場は中間管理職のようなもので、店長やエリアMgrからは非難されまくる、自分より下からは店長の不満を浴びせられる。
全部受け止めて自分が何とかしようと奮闘している中で、連日のクレーマー対応が積み重なり、僕は壊れました。
自分はとにかく頑張っていた、でもうまくいかないし、この店のメンバーやお客様がおかしいんだと言い聞かせる日が続きました。
最終的にこの店から異動の辞令が出た際はエリアMgrから「降格人事だ」と面と向かって言われるという経験もしました。
この店には2年間くらいいたのですが、もちろん良い思い出もありますが、それ以上にきつかったなぁ、辛かったなぁという思いのほうが大きいです。
ところが僕の後任に同期が配属になるのですが、その同期は見事に僕が苦しんだものを全て解消したのです。
部下やパートさんをうまくまとめ、店長やエリアMgrともうまくやり、クレーマー対応もうまくこなすそんな同期を見たとき、
「あれ?俺のやり方が間違っていたのかな?」と僕は思うことが出来ました。
とは言っても何が悪かったのかもわからないですし、次の店では同じようなスタンスで働いていてうまくいったので、
結局あの店の時代は周りが悪かったんだと僕は結論付けていました。
辛かった、大変だった、という思いばかりで、なんで非難されたのか、クレーマーの対応方法はなんでうまくいかなかったのか、部下やぱーとさんとのかかわりはどうしていたらもっと全体が円滑にまわったかなど、根本をみることをしなかったのです。
立場が変わって見えたもの、わかったこと
降格人事といわれたあと半年ほど経って、僕は店長になりました。
店長になってしばらく絶った時、あることに気づきます。
それが僕が壊れたと感じていた店での僕の振る舞いの改善すべき点、こうするべきだったなという点が、自分が店長になってみて初めて分かったのです。なんとなくですが、当時の店長の気持が分かった気がしました。
この時初めてただただ辛かった思い出に対し、その原因はなんだったんだろうと考え始めました。
僕の中では暗黒時代の思い出のようだったものでしたが、そこに対しきちんと正面から向き合い、その原因を突き詰めていくと多くの問題点が見えてきました。闇雲に批判されていたわけではなかったですし、クレーム対応も、部下やパートさんとの対応も、自分の行動のなかで問題点がたくさんあったことを痛感しました。
もちろん過去には戻れないので、遡ってやり直すことはできませんが、あの時きちんと正面から向き合って、原因を突き詰めそれに対し改善したことは、その後の僕の大きな財産となりました。
失敗から学んだものは揺ぎ無い自分のスキルになります。
実体験なので応用も利きますし、同様の相談を受けた時の説得力も違います。
失敗はなるべく蓋をしておいておきたいものですが、
そこを乗り越えて向き合い、さらに自分の本音もさらけ出して見つめ突き詰めてみることで、
大きな大きな自分の財産となります。