僕はとにかく行動する、やってみる方でした。見切り発車もいっぱいしました。
今となってはもう少し冷静に考えることができたらな~とか、もっと自分と向き合えていたらなぁ~とか思うことは多々有りますが、
当時は「なんとかなる!なんとかする!!」という根拠のない自信だけで突き進んでいました。
そんな僕はどん底まで落ちます。
健康保険証は剥奪され医者に行けなくなり、給料が入った日に全て支払で消えてさらには足りない状態で、
どうにかしなきゃと36時間ぶっ続けで働くなど、本当にどん底だったなぁと思います。
だけれど、どん底まで落ちてみて分かったことがあります。
お金があれば解決すると思っていた
どん底の状態ですからもちろん余裕なんてありません。
休みもほぼない状態で常に眠かったのですが、さすがにこの状態が続くと精神的にやられます。
車を運転していて不意に「このまま壁に突っ込んだら・・・」なんて思ったこともありました。
どうにか抜け出したいけど、抜け出す術がない。目の前の問題をとにかく越えるためだけに動き続ける。そんな生活でした。
ありとあらゆるお金を作る方法を実践しましたし、いろんな話を聞きました。
中には明らかに怪しいものもありましたが、怪しいよりもこれで復活できるなら何でもいいというような藁にもすがる状況でした。
でも世の中そんなに甘くないです。うまい話なんて一切ありませんでした。
万策尽きた僕はとにかく働くという手段をとり、正社員(結構立場は上)と新聞配達と工場の3つの仕事の掛け持ちを行います。
理論上では睡眠時間以外をほぼ全て時間労働に充てれば確実にその分の収入を得ることができるのですが、
働くだけの日々で、正社員である昼の仕事ではそんな状態を悟られるわけにはいけないので空元気全開ですし、
次第に精神は蝕まれていきました。
そんな精神状態でしたが、考えることは止めませんでした。
最初のうちはどうにか今の状況から抜け出す方法を考えていたのですが、次第に「なんでこうなったのか」を考えるようになりました。
仕事で身体と頭を動かしている時と、寝ているとき以外は常に「なんで、なんで」と自問を繰り返すようになりました。
それでも最初のうちはなかなか本音が出てきませんでした。
基本的に僕はその時の自分の状態に「不足感」を感じていました。
この不足感は、自分が理想としている状態と実際の自分の状態を比較しての不足感でした。
この不足感の原因はお金が足りないからで、お金がたくさんあれば解決すると思っていたんです。
でもお金はどう頑張っても一気に求める量が手に入るとは思えない現実が目の前にあり、
それどころかどうにかやりくりして無理やりなんとかやっている状況が続く中で、
もう自分は終わったな・・・と思うようになりました。
それでも動く選択をし、そして自分の本音に耳を傾けた
終わったなと思いながらも、責任もあるし子どももいるし、生活費は稼がないといけない。
だから結局身体に鞭を打って働きます。いや、働くことしかできませんでした。
人間は環境に慣れるもので不思議とその状態にだんだん順応できてきて、
ちょっとずつですが冷静に考える余裕とわずかな時間が出来始めます。
そこで始めて「お金」を除外して本当に自分がやりたいこと、生きたい生き方を自分自身に問いかけました。
そして周囲に目を向けました。
僕はサラリーマンを馬鹿にするようなところがあったのですが、当時の自分と比べて周囲の人間は素晴らしいなと思ったんです。
そしてお金がたくさんあることが必ずしも幸せにつながるのではないと気づくことができました。
そこから当時のどん底だと思っていた自分の状況を顧みた時、とても恵まれていることに気づきました。
話を聞いてくれる人、痩せたよねとご飯を買ってきてくれる人、家が有り、元気な身体が有り、友達がいて。
当たり前すぎたことや、何気ない日常に対し感謝することができるようになりました。
さらには自分が想い描いていた理想は、実は誰かが作った理想を見て思い込んでいたもので、
自分の本当の理想とは違っていることがわかりました。
これに気づいた時、いろんないらないものを捨てることが出来ました。
どん底まで落ちる経験が必ずしも良いとは言えません。
ですがどん底まで落ちてもそこで止まり続けず、
時間がかかってもその状況を次に生かすことが出来ればその経験は決して無駄では有りません。
例えどん底まで落ちたとしても、やっぱり行動することが大事だと思います。