お金があれば何でも出来る。好きな食べ物を食べ、好きな洋服を着て、好きなところに行き、我慢しなくて良い。
だからお金さえあれば幸せなんだとずーっと思っていました。
お金がたくさんあれば今の悩みは全て解決すると思っていました。
自分の理想と現実のギャップは全てお金のせいだと思っていた。
高校生くらいからいつか独立したい、自分の店や会社を持ちたいと思うようになりました。
何をするとか、どんな業種がいいとかはまったく決まっていなくて、何でもいいけどとにかく自分で事業をしたいと思っていました。
その頃は純粋に自分自身で、どこかに属するのではなく、雇われる形ではなく、自由に責任持って仕事ができることこそ、
自分が求めているもので楽しいものだと思っていました。
一番最初の選択は大学進学の時。
僕は高校3年で初めて美容院でパーマをかけ、自分自身が変われた様な気持になり、美容師ってなんてステキな仕事なんだと思います。
そして美容師になり、独立して自分の店を持つことは、以前から自分が描いていた理想の人生に合致するものであり、
その勢いのまま両親に美容師になりたいと告げました。
しかし、当時はカリスマ美容師ブーム。現実は甘くないぞ、流行に流されているだけではないかという父親の説得に、最終的に屈し、
ぼくは大学進学を決めました。
二番目の選択は社会人になる時。
数多くある企業の中から、最終的に絞った2社は、ベンチャー企業の第一志望と、様々な経験が出来るとおもった13年勤めた会社でした。
独立していった人も多く、自由度が高く、開拓していく感じがとてもしたベンチャー企業は8次面接で落ちてしまい、
僕は13年勤めることになったインテリアの会社に就職しました。
当初はたくさん経験を積みながら、起業のためのお金を貯めて独立するんだと意気込んでいましたが、2年目の終わりにデキ婚。
そこからは家族を養っていくことと、出世レースに勝ち抜くことと、副業で稼ぐことの3つを念頭に働くことになりました。
優先順位の違いと、緊急度の違いで、本業で手一杯になり、すきま時間とか空いた時間で副業に精を出すくらいの甘い考えだったので、
もちろんうまくはいかず。
うまくいくためにはきちんと環境を整え、現実的な行動計画を立てて継続していくことこそ大切なのに、
僕はうまくいくための方法は、どんな副業を選ぶかにかかっていると思ってしまい、手法を求めさまよい、支出を重ねました。
本業ではそこそこ良い結果を出しているものの、本来の自分の理想は独立。
独立するためにはどうしてもお金がもっと無いと出来ない。
本業の給料は生活費でほぼ消えていて、ボーナスは元嫁に握られていたので、夢を叶えるためには副業で稼ぐしかないと本気で思っていて、
それがなかなかうまくいかない現実に僕は、お金が無い限り幸せにはなれないと思っていました。
そしてお金を得るために間違ったお金と時間の使い方をしてしまい、
負債は膨らみ、家族の仲は壊れ、全て失ってしまいました。
どん底のお金が無い状態の方が、皮肉にも幸せを感じることができた。
全てがマイナスの状態で、職を失い、離婚をして、僕には何もなくなりました。
現実はとても悲惨なものでしたが、前を向くしかなく、現実を直視するしかなく、何度も何度も自分と向き合いました。
もちろん向き合っているだけでは状況は改善しないので、一度独立したい夢を置いておき、
状況を改善するために現実的にお金を稼げる方法をとにかく実践しました。
最も確実にお金を稼げる方法はアルバイトです。
休みなんてなく、最大で5つの仕事を掛け持ちしました。
今振り返っても良くあれだけ働いたなぁと思います。記憶がほぼありません。。
でもその甲斐あって状況が着実に好転していきました。
何年も続いた支出が収入を上回っていた状況が改善されていき、少しずつだけれどプラスが出てくるようになり、
そのわずかなプラスを貯金したり、好きなように使ったりするようになるのですが、
同じお金なのに、本当にその使い方を大事に使うようになり、時間=労働できる=お金になると考えていたので、
時間も本当に貴重で大事に使うようになりました。
お金と時間を大切に使おうとすると、まず無駄使いをしたくなくなります。
いらないものや中途半端な気分でお金を出すことがまず無くなり、
本当に欲しいもの、自分に正直になって尚欲しいものだけにお金を出すようになりました。
時間はさらに変化が顕著で、当時の僕の中ではすきま時間は働けばお金になる時間と変換されていました。
なので、その時間を無駄にすることはお金を捨てているのと同義だったんです。
だから本当に一緒にいて心地よい人や、物にしか自分の時間を捧げなくなりました。
しばらくたってふとある事に気がついたんです。
それがどん底に落ちる前より、人生が楽しく、幸せを感じる機会が多いということでした。
でも不思議でした。稼いでる金額も、労働に費やしている時間も、どん底に落ちる前とは比べ物にならず、
一般的に見たら、どう考えてもどん底前の方が幸せなはずなのに、実際は違う。
この違いはなんだろうと考えると、答えは単純で自分自身に正直に生きているか、自分の感情を大切にしているかの違いでした。
幸せの価値観は人それぞれだと思いますが、
少なくとも僕にとってはお金があるから幸せになれるのではなく、
自分に正直に自分を大切にしていきることこそが幸せでした。
お金があれば幸せになれるというわけではなく、
お金が無くても幸せはあるということを意識してみて欲しいと思います。